SMARTalkサービスの新規受付終了

自社オフィスではPanasonicのおたっくす(KX-PZ910DL)を使っているのですが、この機種には「外で通話」というIP電話へ転送する機能があります。楽天モバイルのSMARTalkサービスというIP電話サービスと連携し、スマホのIP電話アプリで受信する分にはIP電話機同士と同じ扱いになって転送料金が無料になるというものです。

このSMARTalkですが、新規受付はすでに2年前から停止していました。しかし、おたっくす向けにPanasonic経由であればまだ新規受付が可能でしたが、このPanasonic経由もいつの間にか新規受付が終了していました。(2021/12/15終了)

楽天モバイルはSIMの0円プランもなくなりましたし、SMARTalkもサービスそのものがなくなるのは時間の問題かもしれません。050で始まるIP電話番号が無料でもらえて便利だったのですが・・・。

モデムダイヤルイン

自宅兼オフィスの電話にひかり電話を使っているのですが、このたび、FAX番号を追加することになりました。

となると、電話番号は、

  • 自宅用TEL
  • 仕事用TEL
  • 仕事用FAX(新設)

の3つの番号が必要になります。しかし、家庭用ひかり電話は2チャンネルしかないので、そのままでは3つの番号を扱えません。

VoIPアダプタもTEL1とTEL2の2つのポートしかありません。

3つの番号を鳴り分けするには、ひかり電話のオフィスタイプに切り替える必要がありますが、基本通話料も3倍ぐらいになるし、工事費も何万円かかかるようです。

でも、「モデムダイヤルイン」というサービスに申し込めばひかり電話の契約を家庭用のままにすることができます。

手順は以下の通りです。

  • 116に電話して電話番号を追加してもらい、モデムダイヤルインサービスも同時に申し込みます。
  • 翌日までにNTTから新番号と工事日の連絡があります。
  • 工事日までにモデムダイヤルインに対応したFAXを購入して配線しておきます。
  • 工事日当日の朝8時すぎには新しい番号が有効になります。
  • ブラウザを使ってVoIPアダプタの管理画面にログインします。
  • 「トップページ > 電話設定 > 内線設定」のメニューに進み、TEL2に仕事用TELと仕事用FAXを同時に使う設定を入れます。

追加した番号は工事日以降にVoIPアダプタで勝手に認識していました。

デメリットは

  • 仕事用TELの通話中にFAX受発信できない(TEL2を共用設定ため)
  • FAX発信番号が仕事用TELの番号になってしまう

の2点です。私の場合はこれを許容し、コストを優先することにしました。

コストはほとんどかかりません。局側の工事費(忘れましたが数千円もしなかったような)だけです。月額電話料金もほとんど変わりません。VoIPアダプタを自分でいじれる人なら導入も簡単です。

注意点はモデムダイヤルインに対応したFAXを購入することです。

本当はモデムダイヤルインに対応したFAX複合機プリンタを購入したかったんですが、家庭用やスモールオフィス用の価格帯ではモデムダイヤルインに対応したプリンタはどのメーカーでも売られていませんでした。

仕方ないので複合機プリンタはあきらめ、FAX電話機を買うことにしました。パナソニックの「KX-PZ910」です。「おたっくす」の名前で売っているやつです。

2万円台後半で売られています。携帯電話に着信通話を通話無料でIP転送することもできるので、お出かけの際に便利ですね。ボイスワープをNTTに申し込む必要がありません。

Asteriskを使ってみる(1)

Asteriskをインストール

以前、スマホを自宅の子機にする話を書いたのですが、その後、フリーのIP-PBXであるAsteriskにも興味が沸いたので構築してみることにしました。

とりあえずの目標は「ひかり電話の着信をIP-PBXを介し、指定したスマホで受ける」です。その先は鳴り分けとかもやってみたいですね。

まあ、とにもかくにもフリーのIP-PBXであるAsteriskのインストールですね。voip-info.jp様のページを参考にしてインストールしました。結構、いろんな組み合わせを試しましたが、最終的には以下の組み合わせで構築しました。

ハイパーバイザ:Citrix Hypervisor 8.1

OS:CentOS 6.10

IP-PBX:Asterisk1.6

(1) CentOS 6.10のセットアップ

CentOS6.10用のVMをHypervisorに作ります。今回はストレージを30GBで割り当てました。仮想DVDにはCentOS 6.10 のインストール用ISOをダウンロードしてセットします。

あとはServerモードでGUIなしのインストールをし、ネットワークの設定(/etc/sysconfig/network-scripts/ )を確認し、プライベートの固定IPを割り当てておきます。

(2) Asteriskのダウンロード

Asteriskのバージョンは1.6を選定しました。ネットでも情報が多そうなのと、新しすぎず、古すぎずといったところで選びました。 (実はCentOS8 + Asterisk1.8 や、 CentOS 7 + Asterisk1.3 も試したりしました。いずれも、私の環境ではコンパイルエラーになったり、Asteriskが起動できても停止と起動を頻繁に繰り返したりとうまくいきませんでした)

#Asterisk 1.6ダウンロードと展開

wget http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/asterisk-16-current.tar.gz

tar zxvf asterisk-16-current.tar.gz

cd asterisk-16

(3) Asteriskのコンパイル準備

各種ツールをインストールします。

#開発ツールのインストール

yum install wget bzip2 patch

yum install subversion

yum install gcc gcc-c++

yum groupinstall “Additional Development”

yum groupinstall “Development tools”

yum install libxml2 libxml2-devel openssl-devel ncurses-devel sqlite-devel newt-devel libuuid-devel libedit-devel

#json-c

yum install json-c json-c-devel

#mysql

wget https://repo.mysql.com/yum/mysql-connectors-community/el/8/x86_64/mysql-connector-odbc-8.0.19-1.el8.x86_64.rpm

yum install mysql-connector-odbc

yum install unixODBC unixODBC-devel mysql-connector-odbc

yum install libtool-ltdl libtool-ltdl-devel

最後にインストール済みパッケージをまとめてupdate。

#update

yum update

ここまでできたらコンパイルの準備OKです。

(4) Asterisk 1.6 インストール

いよいよAsterisk1.6をコンパイルしてインストールします。

#configure

./configure –with-jansson-bundled

あと、日本語音声ファイルを追加するためにAsteriskの日本語音声モジュールを追加するためにmenuselect画面で「CoreSoundPakages – CORE_SOUNDS_JA_*」 にチェックをつけます。

#Asteriskモジュール選択

make menuselect

#インストール実行

make

make install

make samples

make config

ここまでエラーが出なければもうひと踏ん張りです。

この後、Asterisk1.6の設定サンプルファイルをダウンロードして配置します。

#Asterisk1.6 サンプルファイルダウンロード元

https://voip-info.jp/downloads/asterisk/conf/


#Asteriskの設定ファイル配置場所

/etc/asterisk

(5)実行権限設定

この後、Asteriskをrootで実行しないようにするために、ユーザー「asterisk」を作成して権限を割り当てます。

#パーミッション設定

groupadd asterisk

useradd -d /var/lib/asterisk -s /sbin/nologin -g asterisk asterisk

chown -R asterisk:asterisk /var/lib/asterisk

chown -R asterisk:asterisk /var/log/asterisk

chown -R asterisk:asterisk /var/spool/asterisk

chown -R asterisk:asterisk /etc/asterisk

chmod -R u=rwX,g=rX,o= /var/lib/asterisk

chmod -R u=rwX,g=rX,o= /var/log/asterisk

chmod -R u=rwX,g=rX,o= /var/spool/asterisk

chmod -R u=rwX,g=rX,o= /etc/asterisk

「vi /etc/asterisk/asterisk.conf」の設定変更も必要です。 runuser, rungroupを「asterisk」に設定します。作業としてはコメントアウトされていたrunuserとrungroupを探して、コメントアウトを外すだけでした。

(6) 起動確認

最後にasteriskを起動して実行ユーザーを確認します。

#起動確認

/etc/init.d/asterisk start

/etc/init.d/asterisk status

ps -u asterisk

これで一応、Asteriskのインストールは完了です。

尚、この後、SIPクライアントから接続できるようにファイアウォールの設定変更が必要です。OSで iptables が自動起動されるようになっていたので、Asteriskが利用できるようにするために5060番のポートを開放する必要がありました。

ディスクの使用容量は以下の通りで、30GBのうち16%しか消費していませんでした。

メモリは2Gしか割り当てていませんが、私一人でテストするだけなので、とりあえずはこれで十分。

スマホを自宅の子機に

今までIP電話に縁がなくてほぼ無知だったのですが、仕事でたまたまSIP関連の話が少し出たので調べていたら、自分のスマホを自宅のひかり電話の子機にできることを知りました。しかも、Googleで調べたらたくさん情報が出てきます。知らなかったな~。

手順はとても簡単で、

(1)NTTひかり電話のVoIPルータの内線設定をブラウザで開き、任意のIDとパスワードを設定

(2)スマホにSIPフォンとして、ソフトフォンのAGEphoneをインストール

(3)AGEphoneにIDとパスワードとSIPサーバー( = VoIPルータのIPアドレス)を設定

設定はこれだけです。

うちのVoIPルータはNTTのレンタルでRT-500KIという機種。

図1.RT-500KIのWEB管理画面

電話番号を2回線にしていたら、どちらの電話番号に紐付けるのかも選択できます。内線番号は1番と2番は固定電話用に予約されていて、未登録のMACアドレスからの接続を検知すると3番から順番に自動的に登録されていきます。

発信も着信も成功しましたが、若干、音質が悪い。VoIPルータと接続している無線LANの状態によって左右されるのかもしれません。

今回は機種変更で使わなくなった SIMなしのXperia「SO-04H」と「SO-04F」の2台をVoIPルータに登録。登録後のVoIPルーターの内線番号一覧画面は以下の通りです。

図2.内線番号一覧

SO-04HのAGEphoneから内線番号「4」にダイヤルするとSO-04Fと内線通話もできました。

自宅に置いておけば、着歴がスマホで確認でき、発信するときにスマホの電話帳も使えるので便利かも。

AGEphoneのWebページを見るとビジネス版に転送機能があるようです。どれぐらい需要があるんでしょうね。少し気になります。

とりあえずは家庭用にしばらく使ってみようかと思います。